世界のマシンショップであれ。
小さくて、大きな生命の神秘に挑む研究者のニーズに、技術で応えるNARISHIGE。
生命はどのようなメカニズムで動いているのだろうか、成長しているのだろうか? 多くの研究者のあくなき追究に、技術力でお応えして、少しでも解明のお役立てができれば─。 それが今日のNARISHIGEグループのはじまりでした。 以来、NARISHIGEは、多くの研究者のさまざまなご要望にお応えするために、創業以来変わらない技術と品質を追求する姿勢で、動物学や生理学をはじめ、バイオテクノロジーの研究を支えるマイクロマニピュレーターを中心に、多種多様な製品群を世に送り出してまいりました。
現在、地球の温暖化・エネルギー・有害物質・資源など、我々を取り巻くさまざまな環境問題は、NARISHIGEが何よりも大切にしたい多くの生命に影響を及ぼしています。 物作りに対する企業の姿勢が問われる中、NARISHIGEは、生命にとって、社会にとって、価値ある企業でありつづけるために、物作りを大切にしながら、さらなる品質の向上を図り、地球環境を考えた無駄のない、そしてお客様にも製造者にも安全な製品作りを目指してまいります。
Craftsman for your solutions
NARISHIGEグループが、地球サイズに拡がりをつくるようになったのは、製品の品質・性能について一切の妥協を許さなかった企業姿勢にあります。 "世界のマシンショップであれ" 研究者の夢のお手伝いをしたいという創業者成茂榮一の想いは、NARISHIGEグループの企業スローガンである Craftsman for your solutions として若い世代へ脈々と受け継がれています。 それは、NARISHIGEグループの製品の数々が、国内はもとより各国の研究者との対話と連携のもとで生まれ、品質・技術・性能が磨き上げられてきたことを誰もが知っており、誇りに思い、大切にしてきたからにほかなりません。 NARISHIGEグループは、より簡便で高性能な製品をお届けするために、研究者の夢のお手伝いをするために、さらなる品質の向上に努めてまいります。
ISO取得によるグローバル化への対応
NARISHIGEは、品質システムの確立、組織力の強化、確実な是正処置や品質保証意識の向上によるクレーム・社内不良の減少、体系的な教育・訓練の実施によるグループ全体のスキル向上などを目的としてISOを取得しています。
目指すは、この上ないもの。
NARISHIGEの歴史は、生物科学分野の研究者とともに歩んできました。
未知のもの、不思議なものに出会ったときの感動を、NARISHIGEは大切にします。 たとえば、大学の研究所からの依頼により機器の製造に取り組んだ1950年代前半は、部品どころか物資さえ満足できるものがない中で、試行錯誤の繰り返しでした。 そして探し当てた技術、不可能を可能へと導いたときの喜び。 いいモノを創りだす強い信念と情熱が、NARISHIGEの基本となっていたのです。 製品づくりでさまざまな難題を乗り越え、つねに一歩先を行く開拓者でありたい。 そう考えるからNARISHIGEの瞳はいつも時代のNEXTを見つめています。 この思いを満たすために、時代時代においてユニークで独創性の高い製品のかずかずが誕生しました。
1953年(昭和28年)、電気生理学に飛躍的な進歩をもたらした微小電極法がそのひとつです。 かつての技術の限界をはるかに超えて、ガラス管先端を1/10,000mm にまで精度を向上させました。 これは生理学に伴う本格的装置として初めて "電気" を導入した画期的出来事でした。 そして国内外を問わず注目を浴びた手動式マイクロマニピュレーターとともに、"成茂" の名は一躍世界へと向かっていったのです。 1956年(昭和31年)には、医学研究等に未知なる扉を開いたとも言える脳定位固定装置があります。 シンプルな構造ながら、極めて高い技術レベルが要求され、今もまだ当時の完璧さを凌ぐ装置は存在しないほどです。
マイクロマニピュレーターにおいては、次々と独創性が実を結んでいます。 1969年(昭和44年)には一次元油圧装置から始まり、1983年(昭和58年)には世界初の三次元油圧装置を開発。 そして、マイクロマニピュレーターの集大成となるジョイスティック装置が絶賛を博して全世界にわたり特許を取得しました。 1988年(昭和63年)には、電気生理分野用に、三次元水圧マイクロマニピュレーターを開発しました。 時代の流れにも対応し、2015年(平成27年)に、ICSI(顕微授精)用に特化した四次元ジョイスティック油圧マイクロマニピュレーターを開発するなど、文字通りマイクロマニピュレーターの世界的パイオニアとして不動のものとなりました。 ミクロの世界の明日を考えて。NARISHIGEはいつも、一歩先のNEXTに挑戦しています。
知恵と知恵が、ひとつになって。
類のない製品づくりに向かって情熱を傾けつづけています。
次から次へと技術の限界に挑戦し、いつも時代のNEXTを見つめつづけるNARISHIGE。 その創造力と想像力のパワーは人と人、企業と企業の自由で闊達な関係を推進しているからに他なりません。 特にマニピュレーターの開発はその典型的な例といえるでしょう。
マクロを対象にした簡単な初期のモデル(第1号機・手動式マイクロマニピュレーター/MM-3型)に始まる開発のプロセスの途中で、大学の先生方からさまざまな研究により学んだ知識や貴重なアドバイスをいただくこともありました。 時には試作モデルを前にして、創り手と使い手の間で議論が白熱したのもたびたびです。 垣根のない関係を持たせていただき、"どうにかしよう" の一点で、未知の世界を切り拓くスタイルこそ「NARISHIGE式」といえるかもしれません。 10日前の発案が、10日後には製作のスタートが切られている。 このスピードたるものが、創業当初からの経験や独自に育んだ技術の蓄積によるもの、ソフトとハードの融和する企業NARISHIGEなのです。
ユーザーの真の要求をとらえ、それを満たす道を追究するため共同開発にも積極的です。 国内外の大手企業と研究を重ね、これまでにない製品づくりに取り組んでいます。 "創造がおもしろい" NARISHIGEは、機器工作技術を基本に、新しい可能性へ向けてつねに模索をつづけているのです。
ナリシゲとニコンの共同開発による三次元ジョイスティックマイクロマニピュレーターNT-8シリーズ。
成茂科学器械研究所とオリンパスの共同開発による三次元ジョイスティックマイクロマニピュレーターONシリーズ。
NARISHIGE製品は、広く世界の研究室に輸出。海外での学会や展示会にも積極的に進出、多くの方々との交流を図っています。
前むきに、独自性をもって。
現代の名工として評価の高い精密技術で、製品が仕上げられています。
誰にも作れないもの。だが、誰にでも使いやすいものを。これがNARISHIGEの製品に課した、大事な基本です。 "簡単・便利" は市場に溢れていますが、その反面、モノづくりを軽視しがちであることも事実です。 私たちNARISHIGEの製品は、機械的な加工だけではクリアーできない精度があります。 先進技術を駆使しても、完成できるものではありません。 決して真似のできない製品には、バックグラウンドがあります。 確固とした思想や目的意識を持った作り手の技術やこだわり、自信、満足があって初めて、製品として生まれることができます。 あわせて一人一人のユーザーニーズに、きめ細かく応えていくことが、これまでもそしてこれからも製品づくりの使命である、そう信じて疑いません。 こうした事実をご理解いただいているからこそ、製品の価値が認められると考えています。 人の腕や勘を抜きに語ることのできないNARISHIGE製品。 数字で追いかける精密さよりも、丹念にして繊細な手仕事の部分が評価され、昭和58年、現代の名工として労働大臣から卓越技能章を、昭和60年には黄綬褒章を受章いたしました。 本当の意味でのモノづくりをこれからも受け継ぐことで、NARISHIGEグループが独創性の高さをもって、時代をリードできるものと確信します。
成茂榮一の、類まれにしてその高い技術力が賞賛され、昭和51年に紺綬褒章を受章。 昭和58年には労働大臣より卓越技能章を、昭和60年に黄綬褒章、さらに平成3年には勲五等瑞宝章をいただきました。
保守、点検、修復にも熟練した技術が注入されています。
組み上げられた製品を入念に動作チェックしています。
長年の経験から培われた技術のノウハウを、次の世代へ伝授。業界のリーダーシップをとりつづける所以が、ここにあります。
熟練した腕と勘が要求される精密技術を基本としてきたNARISHIGEグループは、新たに最新機器を導入、新旧の技術力の融合も図られています。
NARISHIGE は、あなたの夢のお手伝いをいたします。
現在、日本は発展した国ですが、第二次世界大戦直後は、世界の中でも最も貧しい国のひとつでした。 このような苦しい状況の中でも、あくなき情熱を研究に注ぐ日本人研究者の姿を見て、私は深い感銘を受けたものです。 それは現在においても変わりありません。 そのような熱心な研究者に対して、何かお手伝いをできないだろうか? そう考えた私は、手作りの実験機器を制作し、研究者と共同で改良するために、それを研究室に持ち込みました。 研究者の協力を得て改良に改良を重ね、最終的に完成品ができあがったときの喜びと感動を忘れたことはありません。 このことは、自分の人生において最も大切な想い出だと思っています。 過去半世紀にわたって、こうして何種類もの機器を製作したかわかりません。
時は流れ、今日、ほとんどの研究者がレディメイドの実験機器を好み、自分オリジナルの機器を作ろうとする研究者は少なくなりました。 一方で、自分の会社を振り返った時、ナリシゲは大変な発展を遂げました。 世界中の研究者がナリシゲの製品に信頼を寄せて使って頂いていることを、私は、大変喜ばしく思っています。 しかし、現在は、必ずしも自分の夢を実現することが可能ではなくなっています。 この先のナリシゲがどう進んでいこうと、ナリシゲの初心を忘れないようにスタッフを教育してまいりました。 研究者の皆様におかれましては、皆様の夢とともに研究を続けさせてください。 ナリシゲはいつでも、あなたの夢のお手伝いを続けてまいります。
お客様ひとりひとりに合ったサポートを行うために。
NARISHIGEグループは、マシンショップとして、世界中の研究者が必要とする数多くのマイクロマニピュレーション関連や生理学器具を製作し、提供してまいりました。 さまざまな種類のナリシゲ・オリジナル製品は、長年培った我々の技術とノウハウ、そしてお客様の要求から生まれたものばかりです。 お客様ひとりひとりに合ったサポートを行うために、NARISHIGEグループは大量の需要がある製品だけでなく、年に数台しか需要がみこめないような製品にたいしても誠意を持って製作いたします。NARISHIGEグループは、研究者のニーズがある限り、世界のマシンショップとして製作を続けてまいります。
若い研究者支援のために。
ナリシゲを育てて頂きました皆様へ還元させて頂く意味で、日本の若手研究者のご研究を応援する為の成茂基金、公益信託 成茂神経科学研究助成金、公益信託 成茂動物科学振興基金を設立し、研究費用の一助としてご利用頂いております。